月別アーカイブ: 2016年9月

「色」を味わいつくす♪

自我はけっこう自分をもてあましているから、
「空」への憧れが密かにすべての自我の中になあるのかもしれない。

自分が消えて、このうんざりする不幸感をチャラにしたい。

そして、こんな自分は真実とか愛には程遠いけど、
あらゆるものの「非在」、そこにこそ真実という救済があるのだ!

「空性」への憧れ。

そんなものがあるかもしれない。

だとしたら、「色(現象)」はまがい物?
真実を曇らす邪魔もの?

色即是空
空即是色

と言うけど、色(現象)は幻想であってはかないもので、
限りがあって、一時的なもの。本当は何も起きていないし、
結局「空」に辿りつくのだから、「色」を見つめても仕方がない・・・・。

だから「空」を目指すのだ!
「色(自我)」からの解放だ!

でも、忘れてならないのは、空とは何もないという意味ではないということ。

空は、愛であって受容であって、智慧であり、静けさ、そして生命。

あらゆる現象(色)で隅々まで満たされている。

「空」をハートに言い換えてみたらどうだろう?

マインドではなく、ハートを通して世界を見てみたら?

ハートはものごとを解釈せず、レッテルを貼らず、定義づけも
せず、ストーリーも作らない。だから時間も空間もそこにはない。

椅子と机とか、部屋の中の音、外の音、あちら、こちらという
レッテル貼りが消えたとき、

そこには分離のない一連の現象があるだけ。

もしかすると、ハートのあたりにあらゆる感情や感覚を感じるかもしれない。

締め付けられている感じ、悲しみ、罪悪感、悔しさ、焦り・・・

または怒り、空虚感、自己嫌悪・・・。

マインドはうるさく判断し、それらの感情はあってはならないと
言ってくるだろう。

でも、ハートに寄り添ってみると、

すべてが静かに受容されている。

あらゆる感情は何一つ文句なしに、自由にどこに現われてもよくて、
100%無条件に受け入れられている。

そのまま寄り添い続けてみる。

批判や解釈から自由になった感情や感覚は、好きなように変化し、
大きくなったり、小さくなったり、場所が移ったり、形を変えたり、
そして、そのうち周囲のエネルギーに混ざっていくだろう。

でもまた新たな感情や感覚が次々に現れ、思いや記憶も出てくるかもしれない。

それでも、あなたはすべてに降参し、ただハートに寄り添っている。

すると、ハートと感情は決して分けられない、怒りと受容は決して
分けられない、愛と悲しみも分けられない・・・・・、

すべては愛からしか生まれていない!
(ポジティブ、ネガティブの二極の崩壊)

しかも、私はこのすべてを愛していたのだ!

悲惨な出来事もなにもかも!

そのままハートに寄り添っていると、だんだん、ハートとは
気づいている意識の別名であると分かってくるだろう。

そして、自我の私はハートの中で現われては消えていく、愛おしい現象。

自己の不在を知って、はじめて本当の意味で自分を愛するということが
分かるのかもしれない。

色を味わいつくせば、「空」にしか辿りつかない。
でも、その「空」は愛と受容に満ちている。

こんなに近いところにあった愛、静けさ。

そして、世の中で起きる悲惨な出来事を愛で支え、そしてそこから
生まれる衝動(行い)があって、それをやるだけ。

シンプルな幻想の壊し方♪

最初は、呼吸や自分に思考や捉えられるものを静かに
眺めることから始められるかもしれない。

そうやって捉えられるものを見ていくうちに、自分だと
思っていたもの。

手がひざに乗っている感覚
お尻が椅子に接触している感覚
私が“こっち側”にいるような感じ
顔の辺りの感覚
胸や頭の感覚や
自分がいるような重量感

自分だと思っているものがすべて捉えれることに気づいていく。

そして、それらの感覚や呼吸、思考に注意を向ければ向けるほど、
それが常に変化していることも気づいてくだろう。

だんだん、それらは観察している私から、観察されているものに変化し、
観察者という「幻想」が崩れていく。

呼吸と時計の音は一緒に変化のダンスを舞い、

体の重量感と車の飛行機の音も同じダンスの一部。

観察していたはずのこっち側の私は、あっち側の風景とブレンドされていて、

私だと思っていた私は、観察される変化の一つだった・・・。

じゃぁ、ここで誰が観察しているの?

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ただ静かにそこに居続けてみよう。

わずかに残っている観察者がすべて変化の一部だと分かるまで。

(二元の崩壊)

そして、

一つのエネルギーだけがそこで舞を舞っている。

一切の分離もなく、

主体と客体、観察者と観察されるものも消え、

それしかなくて、

「それ」がわたし♪